2012年11月7日水曜日

BI市場雑感

BigDataがバズワードでにわかに盛り上がってきている昨今ですが、それに関連してBIツール市場の動向も最近ささっと見た範囲で雑感を吐き出したいと思います。


■全体の概況としては…

外資系を中心に、2007年前後ERPベンダーやコンピュータ関連の会社が相次いでBIツール関連の企業買収を進めており、従来は分析の専門家向けの単品製品だったBIツールが、企業の基幹システムの中で財務、営業、マーケティングなど経営の多岐にわたり分析機能を提供する製品へと位置づけを変えてきているそうです。

事例として分かりやすいのはIBMのSPSS買収でしょうか。
統計や経済学関連の人は御存知の方も多いでしょうが、SPSSは従来統計分析をするためのソフトウェアで、研究関連を中心に使われることが多い印象を持っていました。IBMのSPSS買収も、ビックデータとか言われるようにビジネスに関連して増え続けるデータの山を統計的に分析し、意思決定に役立つソリューションを提供するために買収したものと思われます。

こうした個別の分析機能を提供しているBIツールの買収が進んだことで、BIツールは基幹系システムとの連携の中でデータの分析・レポーティングに使われることが増えてきたといえます。


もう一つの流れは、ハードウェアの性能向上や分散処理技術の発達が挙げられます。

日々蓄積されるデータは構造化データだけではなく非構造化データまで含め爆発的に増えているということは周知の事と思いますが、サーバやストレージと言ったハードウェアの性能向上や、分散処理技術の発達によって、従来よりも短時間により大きなデータを処理する事が可能になってきておりBIツール、案外つかえるかも?と言った流れだそうです。


■とはいえ…


一点目で触れたBIツールベンダーの買収の話も美味しい話だけではなく、買収側の既存基幹システムとのデータの整合性などイマイチ連携がうまくいっていないと言う話も聞くわけです。これとは別に、IBMってSPSS買ったはいいけど今どう活用してるっけってのは、私が知らないだけだとは思いますがイマイチはっきりしていないと言う印象です。

さはありながら、大型買収案件が相次いだ2007年あたりからカレコレ5年ほど経過してパッケージ同士の連携も進んできているでしょうし、ビッグデータブームと併せ今後の方向性はどうなんだっては話です(要調査


二点目で触れた処理速度、処理キャパの話も話としてはそうなのですが、分析する武器はあれど活用できないとはままある話で、BIツールを導入した企業のアンケート調査では、事前に期待したよりも経営の意思決定に役立てる事は出来なかったなんてアンケート結果はまま目にするものです。

実際のところ、大量のデータをどの様に分析するのかと言ったビジネス面での人材・スキル不足や、統計的な手続きをきちんと行える人材不足(BIやビッグデータを担当するシステム関係の部署の方は、システムの事には詳しいかもしれないが、統計の専門家ではない事はままあるでしょう)など活用面に課題は山積されている様子です。


とまあビッグデータに関連して結構あつい分野であるものの、課題やなんやを見ていくとあーやこーやあるなと言った感じです、興味深い市場ですが。

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