2012年4月5日木曜日

100年予測を読んだった





地政学的な分析がどの様なものか気になったので手にとってみた。

本書は地政学的な分析に基づき21世紀の百年間でどの国が覇権を握り、どの国が超大国に戦いを挑むのかを示している。

本書が示す結論は、
・21世紀の間は相変わらずアメリカが世界の覇権国であり続ける事
・トルコと日本が覇権国アメリカに(宇宙!)戦争をしかける事
・中国は張り子のトラであること
が挙げられている。

人口動態やそれに基づく長期的な経済成長(国力)の予測、地理的な要因(ある地域の覇権を得るには陸海空、どういった要所を落とすべきか守るべきか)によって、それぞれの国の長期的な行動を予測している。

制海権が如何に重要なのか、このハイテク戦争の時代に案外地理的要因は効いて来るのかと言った観点は今まで持ち合わせてなかったため新たな気づきといえるが、出てくる主張の一つ一つに疑問を呈したく成る。

これはどんな理論に基づいているのか、実証的にサポートされているのか、そもそも実証の俎上にあげられる仮説になっているのか…

全体として言いっぱなし感が全開であり、「これは長期の予測であり、少々の誤差は瑣末なものだ」と言う正当化ではとてもカバーしきれないように思う。また、後半の宇宙戦争の下りにさしかかると最早読み続けるのが苦しいジョークになってくる。


やはりこう言った大きな風呂敷を広げず、問題・仮説を丁寧に分割し、実証的な結果を積み重ねていく事が肝要なのかと改めて感じさせられた点では役にたったと言える。

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