実証上institutionsのproxyに何を使うかが簡潔にまとめられていたのでメモ。
Rodrik(2005)ではinstitutionsを4つに分類している。
- market creating
- market regulating
- market stabilising
- market legitimising
Rodrikの分類に従い、それぞれに代理変数を立てて実証を行っている。
■Market creating
- 何?:財産権保護、契約履行を担保する制度。
- proxy: the ICRG law and order index
Market Creatingの要素は protecting property rights と enforcing contract の2つ。
先行研究でmarket creatingのproxyに採用されていたものは4つある。
- law index of Rodrik et al.(2004)
- expropriation risk of Acemoglu et al.(2001)
- executive constraint of Acemoglu and Johnson(2005) → property right institution
- legal formalism index of Acemoglu and Johnson(2005) → contracting institutions
ICRGを使う理由は
- 入手可能なデータの期間が長い(動学パネルにつかいたい)
- Contracting institutions の proxy が十分な長さを持ったパネルでみつからなかった
契約履行を担保する制度のproxyとして望ましいのは、契約履行させることに関わる費用である。
Acemoglu and Johnson(2005)では legal formalism を使っているがこれはパネルでは手に入らない。
ICRGはパネルで手に入り、かつ property rights と contract いずれも含んでいる指標。
本当は、それぞれ分けてproxyをたてたいが。
■Market regulating
- 何?:市場の失敗を防ぎ、持続的な経済成長を促進するような制度
- proxy : Gwartney and Lawson's (2005) composite index of regulation
■Market stabilising
- 何?:インフレ圧力を抑制したり、マクロ経済のvolatilityを最小化したりするための制度
- proxy : Gwartney and Lawson's (2005) sound money index
例えば中央銀行や為替政策、財政政策など。
■Market legitimising
- 何?:再分配、社会保障などに関する制度。 idiosyncraticなリスクに対して保険とも言える。
- proxy : the Polity IV democracy index
以上。
ちなみに既存研究だとinstitutionsのproxyはこの4分類ではなくて、property rights institutions と contracting institutions だけを入れて実証していたりする。たとえば Acemoglu and Johnson(2005) など。
0 件のコメント:
コメントを投稿