税効果会計に関して全然理解できていないなあと思ったので本書を手にとってみました。
本書は、組織再編に関連して書かれている訳ではないので、M&Aに出てくる論点に関連して学習したい場合は別の本で補う必要がありますが、そもそも税効果会計って何よって取っ掛かりには非常に良いように思います。
例えば、下記の記事で言っているような事が全く理解できないのであれば、本書を手に取るレベルとして適切でしょう。
「会計の崖」から落ちたシャープ(繰延税金資産の解説)
”会計と税務で、計上のタイミングがズレている取引があるため、各期の実際の法人税等は、税引き前の利益とは対応していませんでした。そこで、法人税調整額によって、ズレた分の法人税等の費用の計上タイミングを調整する手続きが税効果会計でした。” とあるように、会計と税務の乖離がどこにあって、それを調整するために税効果会計がどういう働きをしているのかっていうのを、本の前半で非常に懇切丁寧に説明してくれています。
別表の具体的な見方から、法定実効税率の考え方、繰延税金資産の資産性と回収可能性の話まで分かりやすくまとめられています。
M&Aの話題に関連して税効果会計がどういった論点が出てくるのかって話は、下記のブログでも取り上げられていました。ここらへん、もう少しM&Aに関連付けて勉強してみたいところです。
(例えば、Valuationの際には、繰延税金資産を非事業用資産として加味すると思いますが、ベースになるプロジェクションでリスクケースをひいた場合に、回収可能性からこれをどう扱うかって話が出てきますね。)