2013年6月26日水曜日

すらすら税効果会計ですらすら学習




税効果会計に関して全然理解できていないなあと思ったので本書を手にとってみました。

本書は、組織再編に関連して書かれている訳ではないので、M&Aに出てくる論点に関連して学習したい場合は別の本で補う必要がありますが、そもそも税効果会計って何よって取っ掛かりには非常に良いように思います。

例えば、下記の記事で言っているような事が全く理解できないのであれば、本書を手に取るレベルとして適切でしょう。

「会計の崖」から落ちたシャープ(繰延税金資産の解説)

”会計と税務で、計上のタイミングがズレている取引があるため、各期の実際の法人税等は、税引き前の利益とは対応していませんでした。そこで、法人税調整額によって、ズレた分の法人税等の費用の計上タイミングを調整する手続きが税効果会計でした。” とあるように、会計と税務の乖離がどこにあって、それを調整するために税効果会計がどういう働きをしているのかっていうのを、本の前半で非常に懇切丁寧に説明してくれています。

別表の具体的な見方から、法定実効税率の考え方、繰延税金資産の資産性と回収可能性の話まで分かりやすくまとめられています。

M&Aの話題に関連して税効果会計がどういった論点が出てくるのかって話は、下記のブログでも取り上げられていました。ここらへん、もう少しM&Aに関連付けて勉強してみたいところです。

(例えば、Valuationの際には、繰延税金資産を非事業用資産として加味すると思いますが、ベースになるプロジェクションでリスクケースをひいた場合に、回収可能性からこれをどう扱うかって話が出てきますね。)

121030 / 175 【税効果会計の基本1】Valuationにて繰延税金資産をどう扱いますか?

121113 / 176 【税効果会計の基本2】税効果会計が必要とされる理由は?

121114 / 177 【税効果会計の基本3】税効果会計が必要とされる理由は?(承前)

121121 / 178 【税効果会計の基本4】繰延税金資産の回収可能性とValuation

2013年6月24日月曜日

最強のコスト削減は最強の間接材コスト削減(ITと物流費は最強ではない)でした



最強のコスト削減とは言うものの本書が対象としているのは「間接材コスト」の削減のみで、人件費の削減や資産圧縮、製造原材料費の削減などには触れられていません。

人件費削減は、従業員のモチベーションが下がったり、キーパーソンの流出につながったりとデメリットが大きい。
原材料費に関しては、調達の部署を持っている企業も多く、これに関しては十分にコスト削減されている可能性が高い。

と言うわけで、削減余地の大きい間接材コストにフォーカスを当てているそうです。

ざっくりとしたポイントとしては下記
・社内で分散して発注してしまっている場合は、窓口を一本化してボリュームディスカウントを狙いましょう
・原価推計によって妥当なコスト水準を見積もり、コスト削減余地を見積りましょう
・サプライヤーが複数いる場合は、サプライヤー間で競争させてコスト左舷を狙いましょう
などなど

割りと当たり前っちゃ当たり前な事が書かれてる訳ですが、もう少し具体的な事は費目ごとに(例えば第三章印刷費、第四章諸費など、この細かさで章がたつのかと驚いた訳ですが)書かれているので、実際のPJの際にはそれぞれの費目の章を読み返してみると良いように思います。IT費用と物流費の章は少々表面的な記述に終始しているので、これらに関しては別の本を参照したほうが良さそうですね。

2013年6月21日金曜日

ラルチザンのコートダムールで夏を乗り切る

夏に向けて香水を新調しました。二年前の夏にラルチザン表参道店で試してみて気になっていたコートダムールを購入。こちらは生産中止になっていたのですが、この度、再販売となったとのことで、日本向けには500本ほど割り当てられているらしいです。


トップノート:グリーンマンダリン、フルール・ド・セル、ローズマリー
ミドルノート:イモーテル、ハリエニシダ、イトスギ
ラストノート:エニシダ、エリカ、海岸松

調香師は、Jean-Claude Ellena の娘さんの Celine Ellena です。そういえば二人でやってるDifferent Companyのフレグランスはまだ買ったことがないので後々…

ラルチザンのHPによると、フランスのロワール アトランティックの海岸にインスパイアされ、ゲランドの希少な塩の花"フルール・ド・セル"をベースにした独創的なフレグランスで、甘くソルティーなトップノートから、海辺の花や木々が優しく香るミドルノートになるんだそうな。

マリンノートに甘い香りがのっている感じで、ミドルノートにかけては塩キャラメルみたいな香り?と表現している人もいるみたいです。甘みのある香りが主体なフレグランスの割りには爽やかに使えて不思議な趣きのフレグランスです。

2013年6月19日水曜日

事業計画策定ティップス:メッシュ・メッシュ・メッシュ、なにはともあれメッシュ

先日まで入っていた案件で事業計画策定に携わった。計画のモデルを作りこむってのを主に担当したので、そういった観点から気がついたティップスなどまとめていく。

■メッシュ・メッシュ・メッシュ、なにはともあれメッシュ



事業計画の中でも特にトップラインは製品や地域、事業ごとの積上で作りこむ事が多い。その場合、最終的に提出するモデルをどういったメッシュで作りこむかをプロジェクト開始直後にすり合わせる事が最も重要。

そうした場合、誰が何のために使う事業計画なのかに立ち返る必要がある。

作成した事業計画を受領した対象会社がその計画に基づきモニタリングをして行きたい場合は、かなり詳細に作り込む必要がある。例えば、対象会社が管理している製品単位ごとに損益を月次レベルで追えるようにモデルを積み上げることが考えられる。そうした粒度で作らないと損益が悪化した時に、原因を把握しきれなくなる(どの製品の売上が計画値を下回ったのか?どの製品のコストが計画値を上回ったのか?etc)

一方、対象会社に投資を検討しているファンドから事業計画策定の案件を受注したケースを考えてみよう。彼らは、LPを十分に説得できる粒度の事業計画でよいと言うかもしれない。そうした場合は、詳細な製品単位での積上と言うよりは、製品群ごとの積上でよいと言う風に落ち着くかもしれない。この場合は、大まかな収益性の見立てを知りたいわけだから。

誰が何のために使う計画かを明確にしてからメッシュを確定し、そのメッシュでよいかを関係者の間で合意を取っておかないと、プロジェクトの中盤~終盤にかけてモデルを全部作り直しと言う下っ端が最も泣きを見るパターンが実現してしまうので、ここらへんは確実におさえて行きたい。

とはいえ、上記はあるべき論っちゃあるべき論なわけで、実際の所は対象会社がどの粒度でデータを管理しているかにモデルの詳細度の上限は制約されてしまう事が大半でしょう。