2013年1月9日水曜日

経済学トップジャーナル9つの事実

明けましておめでとうございます。新年の豊富やそれに類するエントリーなどモノともせず、2013年最初のエントリーは経済学トップジャーナルの最近の傾向に関する論文の紹介になります。

先日、NBERに載った"Nine Facts about Top Journals in Economics"をご紹介。

経済学の世界でトップ5のジャーナルといえば、Econometrica / American Economic Review / Journal of Political Economy / Quarterly Journal of Economics / Review of Economic Studies ですが、今回NBERに載った論文は、これら5つのジャーナルに関するデータを時系列で集め、1970年代と現在でどういった変化があるかをまとめています。

  1. 年間投稿数は倍増(1990年→2012年)
  2. 1年間にTop5に掲載される論文の数は、1970年代後半の400本から直近300本に減少している
  3. AERはTop5合計のパブリケーション数の40%を占める
  4. 最近パブリッシュされる論文は平均して1970年代のものよりも3倍長い
  5. 論文1本あたりの著者の数は、1970年代の1.3人から2.3人に増えた
  6. Top5に掲載された論文はめちゃくちゃ引用される
  7. QJEはTop5の中での引用数ランキングを4位から1位にあげている
  8. 長かったり、共著者が多かったりするほうが引用数が多くなる
  9. 開発経済学や国際経済学の引用は増えてるけど、理論とエコノメはこのところ減ってきてる

1と2の為にacceptされる確率は15%から6%に下がっているらしく、本当に狭き門になっている様です。
3は確かに実感がありますね(AcemogluもAERに山のようにパブリッシュしてますね…)
4は院生泣かせかと(笑
5は自然科学同様の傾向ですね。専門が細分化されるほど、共著者の数は増えていくのは自然な流れと言えます。
6,8,9はまあそんなもんかなと言った感じですが、7は全く肌感がなかったので意外でした。

さて、これをみて業界関係者の皆さんは何を思ったのか、それを考えるのも楽しそうです。